哲学、読書、演劇、思ったこと。

谷翔です。読書メモ以外はnoteで書くことにした→https://note.com/syosyotanisho10

『実家から』

『実家から』

則太(のりた):28歳男
明佳音(あかね):29歳女
恋人、付き合って2年半

明佳音が則太のアパートの部屋で座っている
則太が玄関から段ボール箱を持って戻ってくる

則太「なんか届いた」
明佳音「実家?」
則太「うん」
明佳音「あけて」
則太「うん(あけ始める)」
明佳音「アレ、実家から送られてくれるんだっけ」
則太「アレ?」
明佳音「あの、雑穀米」
則太「あぁ、うん」
明佳音「あれ美味しいんだよね」
則太「美味しいかなぁ?」
明佳音「嫌いだもんね」
則太「いや、嫌いって言うほどじゃないけど。あ」
明佳音「あった!」
則太「(引き続き箱の中身を取り出す)」
明佳音「今日これ食べよう」
則太「(入っていた手紙を手に取り黙読)」
明佳音「(覗き込んで)なんて書いてる?」
則太「え、んー(明佳音に見せる)」
明佳音「『最近、雑穀米いらないって言わなくなったね。食べてるの?』」
則太「食べてない」
明佳音「食べてあげなさいよ」
則太「明佳音が食べるからいいんだ」
明佳音「(手紙の続きを読む)『また隣の人にあげたりしてないよね?』。隣の人にあげてたの!?」
則太「そういう時もあった」
明佳音「ひどいね。(手紙の続きを読む)『あげるなら彼女とかにあげなさいよ。彼女いるのかしらないけど』」
則太「(手紙の続きを待つ)」
明佳音「私のこと親に言ってないんだ?」
則太「え、うん、言ってない」
明佳音「へぇ、そうなんだ」

終わり