哲学、読書、演劇、思ったこと。

谷翔です。読書メモ以外はnoteで書くことにした→https://note.com/syosyotanisho10

『ティー』

ティー(ルートワン)』

則太(のりた):28歳男
明佳音(あかね):29歳女
恋人、付き合って2年半

2人が横に並んで座っている
則太、カップのお茶をすする

明佳音「それ苦くないの」
則太「え?」
明佳音「それ入れっぱなしだから」
則太「あぁ、ティーパック」
明佳音「うん」
則太「まあ、苦いかも」
明佳音「入れっぱなしにするよね、最近」
則太「最近じゃないよ。子供の頃から」
明佳音「そうなの?」
則太「うん」
明佳音「ふーん」
則太「いや、まあ最初は違ったかもしれないけど」
明佳音「最初?」
則太「んーと、明佳音と付き合い始めた最初? っていうか」
明佳音「ふーん」
則太「その時は入れっぱなしにしないようにしてた」
明佳音「へー、なんで」
則太「まあ、そうするのが普通じゃない」
明佳音「普通……気取り」
則太「うん、そうだね、気取り」
明佳音「普通の人に見られたかった?」
則太「うーん、まあ、最初から普通じゃないとこアピールしてもね」
明佳音「アピール」
則太「ん?」
明佳音「人の目を気にするタイプだ」
則太「あぁ、まぁ」
明佳音「意外と」
則太「意外かな?」
明佳音「だって、一見、我が道を行くタイプじゃん」
則太「あー」
明佳音「実際、我が道を行ってるとこもあるし」
則太「うーん」
明佳音「ちょっと飲ませてよ」
則太「ん、いいけど」

則太、明佳音にカップを手渡す
明佳音、飲む

明佳音「(則太の方を向いて)意外と苦くないかも」
則太「あ、そう?」

明佳音、則太を見ている

明佳音「あ、やっぱ苦い(則太にカップを返す)」
則太「はは(カップを受け取る)」

終わり



ティー(ルートツー)』

則太(のりた):28歳男
明佳音(あかね):29歳女
恋人、付き合って2年半

聡太(そうた):22歳、則太の弟(社会人になったばかり)

2人が横に並んで座っている
則太、カップのお茶をすする

明佳音「それ苦くないの」
則太「え?」
明佳音「それ入れっぱなしだから」
則太「あぁ、ティーパック」
明佳音「うん」
則太「まあ、苦いかも」
明佳音「入れっぱなしにするよね、最近」
則太「最近じゃないよ。子供の頃から」
明佳音「そうなの?」
則太「うん」
明佳音「ふーん」
則太「いや、まあ最初は違ったかもしれないけど」
明佳音「最初?」
則太「んーと、明佳音と付き合い始めた最初? っていうか」
明佳音「ふーん」
則太「その時は入れっぱなしにしないようにしてた」
明佳音「へー、なんで」
則太「まあ、そうするのが普通じゃない」
明佳音「普通……気取り」
則太「うん、そうだね、気取り」
明佳音「普通の人に見られたかった?」
則太「うーん、まあ、最初から普通じゃないとこアピールしてもね」
明佳音「アピール」
則太「ん?」
明佳音「人の目を気にするタイプだ」
則太「知ってるでしょ」
明佳音「意外と人の目を気にするタイプ」
則太「意外ではないですよ」
明佳音「うーん、まあ、そうかも」
則太「そうです、おいらは「ヒトノメキニスルニンゲン」です」
明佳音「(少し白ける)」
則太「(白けた空気を察知し、お茶をすすってから)飲んでみる?」
明佳音「いや、いい」
則太「そっか」
明佳音「飲んでほしいの」
則太「え、いや、うーん」
明佳音「飲んであげよっか」
則太「いや、いいよ、べつに」
明佳音「ふーん」

2人、黙る

明佳音「なんか冷めちゃったなー」
則太「え? お茶が?」
明佳音「うざ」

明佳音、自分のカップを持ってキッチンへ行く

終わり