哲学、読書、演劇、思ったこと。

谷翔です。読書メモ以外はnoteで書くことにした→https://note.com/syosyotanisho10

2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

神の愛

神父「神は愛である」 男「その意味を教えてくれ。教えて、ください」 神父「あなたはこれまで、誰かを心底憎んだことがありますか。その人たちのために、心の底から祈れますか」 男「できません」 神父「それでいいのです。人間の心は弱いものです。憎むべ…

無力

この世界がなぜ(このように)あるのかは、謎である。なぜ謎なのかと言うと、世界には外部がないからである。 世界の外に何かがあると想定することはできない。 なぜなら世界とは全てを含むものだからである。なぜ(このように)あるのか。 人間なら、別の人…

純粋贈与

愛の狂気はあらゆるものを捨て(abandonner *donner与える)させる。己を空に(se vider)させるのだ。 上は、友達が教えてくれた、シモーヌ・ヴェイユの言葉。友達によると、ヴェイユは、純粋贈与=全面放棄としての愛が理想って言ってるんだって。あらゆる…

伝える努力

最近、 「もっと人に伝わるように説明しなよ」とか、 「人に理解してもらうことを期待しすぎ」とか、 言われることが増えた気がするのだけど、なおかつ、僕は、僕の言ってることや書いてることが人に伝わらないのは悲しいと感じるのだけど、僕は、今よりもも…

弱さ

最近、自己肯定感が下がり気味なのだが、 自己肯定感の低い時にする主張は、 基本的にはあまり説得力がないような気がする。自己肯定感が低い時は、 「誰かに肯定してほしい」という焦りとか、 「なんで肯定してくれないんだ」という怒りとかが、 主張の内容…

「自分の幸せは自分次第」?

僕は、「自分の幸せは完全に自分次第だ」などと主張する。なんとなく、これは人に誤解を与える言い方である気がしていた、つまり、僕の考えていることとは別のことが伝わってしまっているような気がしていた(もちろん、正確に伝わっている場合もある気はす…

「いいね」

TwitterとかFacebookとかで、人の投稿を、読んではいないけど「いいね」はしたい、ということないですか。 僕はあるんですけど。 僕はその人のことが好きで、その投稿にはその人の心意気みたいなものが表れている感じがして、でもちゃんと開いて読むほどの気…

「ガヤトリ・スピヴァクとの対話」を読んで

2008年に作品社から出版された、竹村和子編著 『ジェンダー研究のフロンティア5 欲望・暴力のレジーム 揺らぐ表象/格闘する理論』の中に、「ガヤトリ・スピヴァクとの対話」が収録されている。そこで竹村和子は以下のようにスピヴァクに問うている。「最後…

他人

他者への誹謗中傷。中傷しないことは大事である。 しかし、中傷する人は、中傷することが必要だからそうしているわけである。 その人がそういう人であるまま中傷することを「我慢」するなら、別の形でそれはどこかに現れるだろう。中傷しないこと と 中傷し…

特別

砂川秀樹は、著書『カミングアウト』の中で、ゲイやレズビアンのカミングアウトにおいてカミングアウトをした側にもそれを受けた側にも何かしら変化が生じるとした上で、次のように述べる。「このように書くと、ゲイやレズビアンだけが特別な承認を求めてい…

布マスク

布マスクが2枚届いた。個人的には、マスクを買うお金が浮いてラッキー、くらいの気持ちでいたいのだが、街ではこのタイプの布マスクをしている人をほとんど見ないし、 また、このマスクはSNSなどでさんざん揶揄されたマスクである。これを着けて街に出ること…

それだけ

映画『おおかみこどもの雨と雪』を観て、 感動した、と言いたくて、 でも「感動した」だけ言うのはちょっと恥ずかしくて、 何か言うならもっと内容のあることを言えなきゃ恥ずかしいと思って、 でも今は内容のあることは何も言いたくなくて、 でも黙っていた…

インタビュー記事

僕が、大学時代よく一緒に哲学して(遊んで)いた先生のインタビュー記事です。僕のブログをわざわざ読みに来てくれている人がどれくらいいるのか分からないけれど、もしいるなら、その人たちにはぜひ読んでほしい、って思う。自分が読んで感動した記事を、 …

知ることと、抵抗

最近、セクシュアルマイノリティについて知りたいと思い、本を読んでるんだけど、なんだか、いつもより「疲れる」感じがする!これは、「抵抗」だろうか……ちなみに、精神分析における「抵抗」は、例えばこんな説明がされています。「個人が意識化したくない…

誤解されにいく

僕は、誤解されそうな文をわざと書くことがある。例えば、「相手の言動にムカついたら、「うるせえ、死ね」などと言って発散すればいい」みたいなことを書いたことがある。これは、うるせえ、死ね、と「相手に対して」言えばいい、というふうに読まれてもお…

タイミング

それまで他人に話せなかったこと、というのがある。それを話すというのは、結構大変なものである。「さあ、話すぞ」と意気込んで話すこともあれば、あるタイミングで口からひょいと出てきてしまう、ということもある。それらの中間のような仕方もある。なん…

空→色→空→色

色即是空 空即是色色→空→色の順である。しかし、おそらく、最初の色の前に、また空がある。色を固める。 つまり、 形を固める。 という段階がある。 空→色 の段階だ。まず色を固めなければ、それを崩す(色→空)こともできない。例えば、生まれたばかりの赤…

自己を守るための言い聞かせ

僕は 怒りを拒絶している 怒りを抑圧している 怒りを隠蔽しているのか。……エニアグラムで、僕はタイプ1(ウイングは9)である。タイプ1は怒りに囚われるらしい。「タイプ1にとって、世の中とは正しくあって然るべきもの。 そんな理念のため公正公平を常に心…

空即是色の面白さ

「色即是空は分かるけど、空即是色が分からない!」そう思って以来、「空即是色とはどういうことか」を考えることが僕の哲学実践の全てであった、と言っても過言ではない。……色とは、形の定まっているもの 空とは、形の定まっていないことと言っていいと思う…

森の中を

「理性がわたしに判断の非決定を命じている間も、行為においては非決定のままでとどまることのないよう、そしてその時からもやはりできるかぎり幸福に生きられるように、当座に備えて、一つの道徳を定めた。それは三つ四つの格率からなるだけだが、ぜひ伝え…

「助けてあげたい」

僕は、人に対して、「助けてあげたい」と思うことがある。でも、「助けてあげたい」と「思われる側」からしてみると、それは、結構イラッとくるものである。 そう人から言われたこともあるし、自分が「思われる側」になった時にはそう感じる。ひとことで言え…

ゆるすこと

中学生の時、学年全員の前で謝らされたことがある。中学3年の修学旅行の夜だ。理由は、函館市内での班ごとの自由行動の時、班内で分かれて行動したことだった。 でも、分かれて行動してはならないというルールはどこにも書かれておらず、口頭での説明も事前…

友人たち

なんて僕は友人たちに恵まれているんだろう、と思う。僕が錯乱したり悲しみに落ちたりして電話をかけると、必ず誰かしら僕の話を聞いてくれる。支離滅裂(?)な長文のラインを送っても、真剣に応えてくれる。 いや、返信がない時も多いんだけど、この人は読…

僕の呆然

誰かが、僕の何らかの言動を受けて、怒るとする。怒り方には二種類ある。・僕に対して怒る場合 ・僕の背後にある何か大きなもの(例えば「社会」とか)に対して怒る場合 僕に怒る場合、その怒りは、その場限りのものである。僕が怒りを招いたのだから、僕が…

「説得」と「呼びかけ」

何かを他者に対して主張する時、 そのやり方によって、「説得」タイプ 「呼びかけ」タイプこの二種類に分けられるようだ(「説得」という語は國分功一郎の『スピノザの方法』から借用し、「呼びかけ」という語はハイデガーを参考にして僕が設定した)。 國分…

「生きる」ことと「死なない」こと

僕は、人の命を軽視している、と人から思われてしまうことがあるようだ。それに関連する話を友人とLINEでしていて、そこで送った文章。ブログ用に修正はしています。↓ ↓……「命」と、「自由」とか「幸せ」とか「人間らしさ」とかは、べつに敵対している概念で…

全部話すこと

僕は、あらゆる存在を、「途中」の存在だと思っていると思う。もし僕が、「間違った考え」をいま持っていたとしても、そのこと自体には何の問題もない。「間違った考え」は、僕が生きていれば僕からにじみ出てくるだろうし、そうすればそれは批判に晒され、…

正しさという後押し

自分のしたいことをするために、その後押しとして、「私のすることは正しい、と思う」ことがある。自分のしたいこと、しようとしていることが、一般的な価値観の枠の外にある時、あるいは外にあると自分で思い込んでしまっている時、するのを躊躇してしまっ…

恐怖か不安か

形式的暴力には形式的暴力で対抗しなきゃやっていけない、のだろうか。幸せとか人間らしさとかの前に、目前に迫る「命」の危険に対処しなきゃいけない場合は、形式的暴力がさしあたり有効であると言える気はする。……あらゆる差別は形式的暴力である。もし、…