哲学、読書、演劇、思ったこと。

谷翔です。読書メモ以外はnoteで書くことにした→https://note.com/syosyotanisho10

比較的まとまっている文章

知性改善論、最高の善、真理に開かれた人間

以下の文章は僕が大学2年生の時の最後に書いたレポートである。先生から課題図書が数冊挙げられ、その中から一冊ないし数冊を選んでそれについてレポートを書くという課題だった。 パソコンの中を眺めていたら見つけて、久しぶりに読んだら、なんだか良かっ…

権力構造、子供扱い②

この記事はhttps://tani55sho44.hatenablog.com/entry/2021/08/29/160444の続きである。一応。…… 対等な状態とは何だろうか、と考える。 対等ではない関係とは、つまり上下関係とは、以下の関係である。 上方向と下方向があり、その間に無数の段階があり、そ…

権力構造、子供扱い

権力を持っている側はおのれの振る舞いに気をつけなければならない、と言われる。僕はこれに対して簡単には頷けないでいる。 こういう主張は例えばこんなことを言う。「権力を持つ側の人間は自分が権力を持っていることに無自覚になりやすい。自分では相手と…

世界、自分、ゆるし

新世紀エヴァンゲリオン第25話を観ていた。 碇シンジに対し、この世界はあなたの世界だ、あなたが望んだ世界だ、という言葉がかけられる。 そこで碇シンジは言う。 「もうすべて決まりきってる世界だろう!?」 それに対しかけられる言葉。 「違うわ。あなた…

「1/6」と「1/12」と「1/7」と「5年」と「1/2」と「4年」と

いま、姫野カオルコの小説『彼女は頭が悪いから』を読んでいる。 面白い。 それはさておき、小説の中で、こんな「問題」が出されている。引用する。「じゃね、いきますよ。優香ちゃんの一生は、1/6を少女として過ごします。1/12で何人かと付き合ったけど、そ…

スピノザにおいて明瞭判然たる認識が必要となる理由

スピノザは、認識の生じ方(作られ方)を4つに分けている。 1、伝聞から生ずる2、経験から生ずる3、理性(の推理)によって生ずる4、明瞭判然たる認識によって生ずる https://tani55sho44.hatenablog.com/entry/2021/02/22/135118 上の記事の中で僕は、「3の…

スピノザにおける名誉と恥辱についての覚書

スピノザは名誉と恥辱について言っている。名誉は、自分の行為が他人から賞讃されていると思った時に感じる喜び。恥辱は、自分の行為が他人から軽蔑されていると思った時に感じる悲しみ。(ちなみに、自分の行為のどんな利益が他人から賞讃され、どんな不利…

スピノザの認識についての覚書

スピノザは、認識の生じ方(作られ方)について、述べている。1、伝聞から生ずる 2、経験から生ずる 3、理性(の推理)によって生ずる 4、明瞭判然たる認識によって生ずる例えば比例法則。 「第二の数に第三の数を乗じ第一の数で除すると、第二の数が第一の…

岩野卓司『贈与論』メモ

以下の文章は、青土社から2019年に出版された岩野卓司の『贈与論』を読みながら僕が書いたメモである。 この本は僕の友人であるA氏が僕におすすめしてくれたもので、僕はA氏からこの本を借りて読んだ。それもあって、このメモを書くにあたって、このメモの読…

プライバシー

隠すことをやめたい、 覆いを取り除きたい、 という欲望と、隠されているもの・覆いの下にあるものを、見たい、手に入れたい という欲望とを、注意深く分けておく必要がある。 この2つは別の欲望だ。 前者は覆いに注目するが、 後者は覆いの奥にある「何か」…

「ガヤトリ・スピヴァクとの対話」を読んで

2008年に作品社から出版された、竹村和子編著 『ジェンダー研究のフロンティア5 欲望・暴力のレジーム 揺らぐ表象/格闘する理論』の中に、「ガヤトリ・スピヴァクとの対話」が収録されている。そこで竹村和子は以下のようにスピヴァクに問うている。「最後…

空即是色の面白さ

「色即是空は分かるけど、空即是色が分からない!」そう思って以来、「空即是色とはどういうことか」を考えることが僕の哲学実践の全てであった、と言っても過言ではない。……色とは、形の定まっているもの 空とは、形の定まっていないことと言っていいと思う…

「生きる」ことと「死なない」こと

僕は、人の命を軽視している、と人から思われてしまうことがあるようだ。それに関連する話を友人とLINEでしていて、そこで送った文章。ブログ用に修正はしています。↓ ↓……「命」と、「自由」とか「幸せ」とか「人間らしさ」とかは、べつに敵対している概念で…

批判と燃えること

僕のツイッターアカウントのタイムラインをここ数週間見ていて思うことをまとめてみる。あくまでも「僕の」「タイムライン」を見た限りのことなので、現実の一部分しか捉えていないだろうけど。 ここで問題にしたいのは、ざっくり言えば、「政府批判」と、そ…

「人間関係」って言葉が嫌い。

大学時代の指導教官の新しい論文をもらったので読ませていただきました。論文の文章それ自体に言及はしていませんが、読んで思い浮かんだことを書いておこうと思います。と言うか、ここに書いていることは、その論文には全然書いてません。僕が勝手に考えた…

自分の状態を知る方法(具体例・僕の場合)

前回の記事(https://tani55sho44.hatenablog.com/entry/2019/02/18/042748)で、「今この瞬間の自分の100を感じ取ろう。感じ取って、その自分が求めることだけをして生きよう。それで十分だ。そうしていると、おそらくいつの間にか、その100を突き破ろうと…

「真理」について雑考

真理ってなんだろう。 まあ、真理とは、「本当のこと」である。 「空は青い」 空を見上げてみる。確かに青いぞ。じゃあ、「空は青い」は真理だ。 素朴にはこういうことである。 でも、夕方になると空は橙になる。 「空は橙」 では、「空は青い」と「空は橙」…

生きることとしての自殺すること

前回書いた文章を受けて、少し違う角度から。 僕は、自殺することも、生き方の一つのあり方だと捉えているみたいです。 そもそも、人間は(と言うか生物は、ですかね)、自分の死を経験できません。あるいは、少なくとも、自分の死の半分しか経験できません…

自殺しないことを選ぶ、とは 続き

前回の続きです。 僕の人生には、「あ、自殺しないで生きていけるかも」と思えた瞬間が(僕の記憶上では)二度あります。そのうちのニ度目の方について書きます(一度目についてはいつか書くかも)。 僕はある時、「そうか、僕は自殺しないことを自分で選ん…

自殺しないことを選ぶ、とは

僕は、とりあえずのところ、「自殺しないで生き続ける」ということを選んでいます。 これ、「自殺してはいけない」と考えている、という意味ではありません。自殺も選択肢のうちの一つだと思います。自殺も、生き続けるのも、選択肢のうちの一つ。どちらを選…