哲学、読書、演劇、思ったこと。

谷翔です。読書メモ以外はnoteで書くことにした→https://note.com/syosyotanisho10

思ったことの垂れ流し

傷つきと成長

傷つくことができるようになる ということって、あるのかなー、と思った。傷つくようになる、というのが、一種の「成長」である場合があるのかなー、って。 傷つかない、というのが、心を閉じる、ということによるとすれば、 傷つく、というのは、心を開いた…

権力構造、子供扱い⑤

健康な人が健康であること、あるいは、健康になれる状態の人がどんどん健康になっていくこと、しかないんじゃないか、と思った。……権力関係がある、 つまり、上の人と下の人がいる。その権力関係が要因となって、そこにいる人が苦しんでいるとする。そういう…

地震とか台風とか

自殺のニュースなどを見ると、あぁ、背負っていたものを放り出せなかったんだな、背負っていて苦しんでいたもの放り出せなかったんだな、無責任に放り出せれば良かったのにな、と、これまでは思っていた。でも、最近、ちょっと思うことが変わった。放り出す…

見方。よしよしして。

「ものの見方を変えれば楽になる」と、言われる。が、「ものの見方を変える」のは難しい。少なくとも、難しい場合が少なくないと思われる。 「変える」と言うわけだから、そこには、変える「前」と変えた「後」があるわけだ。今の、現状の見方と、 もっとよ…

許せますように

間違いってないよなぁと思う。 間違っていたから直す、とか、ないよあなぁと思う。 間違ったことをしてしまった、今度からしないように気をつけよう、とか、ないよなぁ。人を殴ってしまった、殴るのは間違ったことだ、今度から殴らないようにしなければ、と…

権力構造、子供扱い④

千葉雅也の記事。https://realsound.jp/movie/2021/06/post-783043.html前に書いた権力構造の話とちょっと関連して。千葉雅也が性的マイノリティだからこういうことを「言ってもかろうじて大丈夫」って感じはある。マジョリティとみなされる人がこの記事の千…

ただ生命

サン・テグジュペリは郵便配達のパイロットだ。危険な仕事である。この日、彼は同僚と二人、不慮の事故によって砂漠の真ん中に降り立った。ここがどこなのか分からない。水も食料もほとんどない。彼らが生きているうちに仲間が助けに来る可能性はほぼない。…

優しさっていらなくない? って思ってしまうのだが

優しさって何なん、って思う。わしは、優しさを重要視する人になんとなく不信感を抱いてしまう。「優しさって要るかな??」と、思う。 優しさは、あったらあったで良いものだけど、なかったらなかったで特に問題ない。わしはそういう感覚でいる。宝石みたい…

レヴィナスの努力あるいは疲労における遺棄、断罪について

レヴィナスの『実存から実存者へ』で気になった箇所。レヴィナスは努力あるいは疲労・労苦について以下のように述べる。「自分の務めの上に身を屈めて労苦する人間の本性のうちには、遺棄が、見捨てられた者の境涯がある。まったく自由になされるとしても、…

〈ある〉(イリヤ)、恐怖

レヴィナスは、「〈ある〉がふっと触れること、それが恐怖だ」と言う。「〈ある〉」の原語は「il y a」である。英語なら「there is」、あるいは「it is rain」とかの「it is」。つまり、非人称、「私が」とか「彼が」などと行為の主体を指定しない、「誰が」…

責任、喜び、サン・テグジュペリ

著者サン・テグジュペリは飛行機で郵便配達をする仕事をしている。ある時、ギヨメという同僚が、大きな事故でもう死んだと思われていた中、数日後に生還した。著者は彼を讃えて書く。「彼の偉大さは、自分に責任を感ずるところにある、自分に対する、郵便物…

ザバァーと

佐野洋子は、幼稚園の時にブランコに乗っていたら隣の男の子がブランコを横にゆらして佐野のブランコにぶつけて来た、というエピソードを話したあと、男に対してどんな注文があるか、という話を続ける。その最後のあたり。「私やっぱり暴力というのは嫌だ。…

権力構造、子供扱い③

「上」にいる人は、安心している。 「下」にいる人よりも権力を持っているこの人は、「下」にいる人から「捨てられる」かもしれないとか「追い出される」かもしれないとかいった不安はない。 誰かを捨てたり追い出したり(あるいは逆に拾ったり迎え入れたり…

『論理哲学論考』を読みながら思ったことを書く

ウィトゲンシュタインの『論理哲学論考』を読んだ。読み返してみる。僕がまず躓いた箇所はここだ。「1.13 論理空間の中にある諸事実、それが世界である。」「論理空間」ってなんやねん。自分にとって難しい哲学の本を読む時に大事なのは、分からない部分は分…

レヴィナス、ハイデガー、世界内で生きること

レヴィナスは、生きること(=実存すること)をリアルなこととして見ている。あるいは、生き続けることを。 レヴィナスは、「飢えと渇き」をリアルなものとして見ている。 お腹が空いて食べて生きていくことを、人間の基盤として見ている。世界内では人間は…

生きることを特別視するレヴィナス

レヴィナスの『実存から実存者へ』を読んでいる。レヴィナスは、「存在」と「生」を同一視している? レヴィナスは、生きることを特別視しすぎている、気がする。 生きることを特別視するから、「糧」とか言うのだと思う。レヴィナスが論敵として立てている…

腹が空くから食べてるだけよ

エマニュエル・レヴィナスの『実存から実存者へ』に、こんな文章があった。「もちろん私たちは食べるために生きているわけではないが、生きるために食べると言うのも正確ではない。私たちは腹が空くから食べるのだ。」(西谷修訳)要は、食べることは生きる…

向かう瞬間

ある状態については、その方向へ向っている、ということが重要だ、と思う。あれかこれか、という、固定した状態を想定しない方がよい。たとえば、 「ありのままの自分」か、「つくろった自分」か、とか。100%「ありのまま」を実現した自分も、100%「つくろ…

知る、似る②

他者の話を聞いたりして他者を知ろうとする時、その他者の話が「正しい」かどうかとか、自分がその話に「共感」をするかどうかとかは、全くどうでもいい。ただただ「その話」を聞くこと。できるかぎりその話「だけ」を聞くこと。 その話をまるまるそこに存在…

オモロイ。欲求。

ふとマズローの欲求段階説が気になって検索した。https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E5%B7%B1%E5%AE%9F%E7%8F%BE%E7%90%86%E8%AB%96 ↑ウィキペディアのページを読んだ。 面白かったところ・承認の欲求がesteemの欲求だったところ。つまり、「尊重」…

畏敬の念

岩波文庫の『論理哲学論考』が面白い。ここには3人の人がいて、それぞれがそれぞれの考えを喋っている。ウィトゲンシュタインと、ラッセルと、野矢茂樹。ウィトゲンシュタインがまず喋り、それを読んだラッセルが喋り、そして野矢茂樹が彼らの間で喋る。野矢…

知る、似る

他者を知ることって、自分がその他者に少し似ることを伴うんじゃないかなー、と思う。 少なくとも僕にとってはそういう知り方じゃなければ意味がない、と感じられることが多い。

権力構造、子供扱い②

この記事はhttps://tani55sho44.hatenablog.com/entry/2021/08/29/160444の続きである。一応。…… 対等な状態とは何だろうか、と考える。 対等ではない関係とは、つまり上下関係とは、以下の関係である。 上方向と下方向があり、その間に無数の段階があり、そ…

役に立ってます

哲学を専攻していた、と言うと、「何か役に立った?」と訊かれることがある。 僕はたいてい「役に立つ……うーん、まあ、役に立ってますね」などと言う。そこで「何の?」とか「何が」などと訊かれると、「哲学の全部が役に立ってます」と言う。 どういうこと…

誰かが助けてくれるかどうかと、見方の話と、ある面接官が僕を「たにしょー」呼びした

十月十日の進化論という映画の中にこんなシーンがある。 妊娠した主人公は、「一人で子供を育てる」と自分の母に言う。母は反対するが、主人公は「私のやることを認めてよ」と言う。 母は言う。「あんた甘えてんやわ。一人やったらなんもできへんくせに。最…

言葉、動き

〇〇をする、と決めるとする。すると決めた内容と、実際にすることの内容は、直接的には関係ない。そこに直接的な因果関係はない。すると決めたからそれをする、というのは、自然因果的な力ではない。仕事をする、と決めたからといって、仕事をするとは限ら…

愛の永遠

例えば、 「頑張れ」と簡単に言ってはいけない。だって人はもうすでに頑張っているんだから。 という話がある。でも、 「頑張れ」と応援されると元気が出るよね。 という話もある。それは当然のこと。 「頑張れ」が重荷になることもあれば、 「頑張れ」が支…

守ること

僕は、隠し事をするのが苦手だ。何でもかんでも話してしまう。秘密を持っていたくない。 隠し事をするということは、自分でそれを背負う、ということを含んでいる。 隠さずに全てを話すことは、楽だ。自分一人で何も背負わなくていい。全てを共有し、共同し…

テレビと沈黙

最近、テレビを見ることが増えた。「グッとラック!」で議論をしている(今日は女性差別関連の話だった)のを見る。テレビでの議論を見て思うのは、「テレビで沈黙はなかなかできないんだろうなぁ」ということ。絶対に誰かがしゃべっている。誰もしゃべって…

論理は友達

論理とは何だろう。 論理が僕は好きなんだろうな、と思う。 論理は無機質ではない。 論理も、物質であると僕は感じる。 論理も生きているのだ。 生きたものなのだ。 物質は全て生きている。 石とか、机とか、なんでも、生きている。 論理も同じだ。 というか…